2014年9月22日月曜日

独りじゃない

 タイトルはFF9の名曲から。ファイナルファンタジーは6で終わったと思っている人たち!いい曲いっぱいあるよー。

 自分にとって音楽をやっていなかった期間というのは、新しい仕事に就いて丁稚奉公みたいなことをやりながらやっとのことで暮らし、結婚をして子どもができて…と怒濤のように流れて行く日々であった。
 そんな中で急にワイワイワールド2のエンディング曲を録音したくなって、やってみたのが再びバンドを立ち上げるきっかけになったと思う。自分の好きに練習するのと、人に聴いてもらえる形にする(録音する)というのは大違いで、久しぶりに機材をつないでみたら全然弾けないので困った。
 特にメロディがぜんっぜん弾けない。夏の暑い中、扇風機しかない家の録音部屋で6時間くらい弾いて、ひとつもOKテイクが録れず、頭からシューシュー湯気を出しながら水を飲みに出て来たとき、本気で楽器人生は終わったと思った。

 それからずっとリハビリを続けているような感じで、どうにも「これは自信のある音で、よく弾けているぞ」という曲や部分などほとんど無いまま進んで行くのだ。満たされねー……。
 以前も、リズムや音程がしっかりしていても、そこにプラスして特別な倍音が偶然入っていたり、気持ちとはっきりリンクした感覚が無いと、そのトラックは捨てていた。自分はもっといい音が出せるはずとか、上手いはずとか、思ってこだわるのであればまだ健康だと思うけれど、のっぺりした何も感じられない音は聴いていて気持ち悪くなってくるのだ。
 だから以前もあるいはこうだったのかもしれない。上手に弾けた達成感なんて無しにずっと進んで来たのかもなぁ…と思ってなかば諦めて録音を進めていた。

 しかし、少し経ってカーステレオで録った音を聴いてみると、編曲にしろ音作りにしろ演奏にしろ、「もがいている」のが伝わるというのは、悪いことではない気がしてきた。

 気持ちがかなりはっきり定まったのは今日のことである。二次元人から「行け!月風魔」が送られて来た。ホームページにデモとして上がっているのは、僕がバッキングも弾いて、ミックスをやっている音…つまり独りでもがいている音なわけだが、送られて来たのは二次元人がバッキングを弾き、更にきれいにミックスをし直した曲だ。音がかなりきちんと整理され、どこで何を聴かせたいのかハッキリしている。これ、とてもいいです。色んな人に聴いてもらうのがほんとに楽しみ。
 
 独りの音って、もがく中にも閉塞感が現れやすいものだと思う。狭い水槽の中でじたばたして、泳ぐことを諦めた金魚みたいに。だけど、ここに他のメンバーの音が入ると、ミックスを他の人が他の視点でやり直すとこんなに良くなるんだなー、と思った。
 考えてみれば、上げている曲は全部てまりんと編曲をしてきたもの。月風魔なんて彼女の歌も入っている。そもそも僕は独りで頑張っていたわけではなかったんだなぁ、と。すごく体が軽くなって、CDを完成させるのが楽しみになった。以前パラメキア帝国を聴いてくれていた人にも、以前のバンドは知らないひという人にも聴いてほしくなってきた。なんかねえ、素敵な気持ちなんですよ。

 さて、後はこのホームページをどうやって人に見てもらうか……。宣伝するイメージが全く思い浮かばない。長いこと買い物以外にはインターネットもきちんとやっていなかったので、どういう人がどういう情報を得ているのか知らない。ぶどう酒のビンに手紙でも入れて海に長そうかしら。「ここで音楽やってますよ」って。

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