2014年10月13日月曜日

プログレやメタルの「ダサさ」を考える。

 先日、Yes のDVD(Symphonic Live)を観ていたら、演奏の途中で画面がプレステ初期のような古いCGになって驚いた。天使のロボットがガックリうなだれたようなポーズになって、それをもう一人の天使のロボットがなぐさめているような映像。なんだこれ。観てる人がガックリくるよ…。
 なんだろう、プログレッシブロックのライブって、いくらノリの良い曲でもみんな座っておとなしく聴いて、時々ウンウン頷いたりして、曲が終わってから拍手…みたいな印象があるんだけど、それって演奏に集中するためじゃないんだろうか。 それを曲の途中でこんなチャチなCG見せられてもなあ。その他にClose to the Edgeで突如としてミステリーサークルの(やはりひと昔前の)CGになったりも。

 ただ、プログレッシブロックに「意味深にしようとして失敗しました」的な試みというのは「あって当然」で、目くじら立てることじゃないような気もしてきた。ミステリーサークルに限らず、ストーンヘンジとかオーパーツとか、プログレバンドが大真面目にアルバムジャケットやステージセットに持ってくるようなイメージがある。
 プログレ史上最大の名曲の一つであるタルカスだって、アルマジロ型戦車が火山から現れて、マントヒヒとサソリが合体した化け物と戦ってさんざんそこら中壊しまくって、海に帰って行くっていうストーリーなわけでしょ。別にファミコンゲームのストーリーでも子ども向けに作られたものでもなく 、大の大人が真剣に「コンセプトアルバムです!」って言って作っているんだから。





 夢中になって聴いているときは何とも思わなかったけど、一歩引いてこのジャケットを見てみると、過去に戻って初めて聴いた自分の肩を思い切り揺さぶって、「おい、君!君の感性は本当に大丈夫か!?」と聞きたくなる。

 ただし、「これさえ無くせばダサくない」とプログレのはずかしいコンセプトやアートワークを取り払ったら、もちろんそれはプログレでは無くなるだろう。現在活躍しているプログレバンドの何がひと味足りないかって、こういう「目が血走ったような本気度」だと思う。サウンドは昔に比べてずっとキレイになって、プレイヤーのテクニックもずっと向上しているのに、なんだか一枚聴いてもサラッとしていて、ドーンと心に残るものが少ないように思う。
 

 しかしこれはプログレにだけ言えることではない。「これさえ無くせば」の宝庫といえばやっぱり我が心のふるさとであるHM/HRである。さあ、行ってみよう!
 



みんな、コレを何とも思っていなかったよね!


 上の人の実写版。この人のソロいっぱいコピーしたよね!メトロノームゆっくりにして、だんだん速くして練習したよね!それを学園祭で、同じポーズで弾いたよね!(うあああ…)

  他にもハードロックやメタルには昔も今もこういう人がいっぱいいるんだ。
 




 でも、いまテレビから流れてくる音楽を聴いていてもサウンドとしてのメタルは根強く残っている。映画なんかの盛り上げどころでメタルっぽいリフが使われていることもある。メロディは覚えやすいものが多いし、展開も分かりやすく、しかもテンポが速くて本当はメタルって聴きやすい音楽だと思う 。
 では、長髪と革ジャンとイガイガのリストバンド、ドラゴンとか悪魔とかバビロンの城門とかカロンの渡し守とかそういう歌詞を無くせばダサくないのか…って、それはメタルではなくなってしまう。本人が真剣にやっているんだからこれで全然 OKなのだ。
 
 では何故、新宿のディスクユニオンプログレッシブロック館に行っても、メタルの一大イベントであるラウドパークに行っても、うつむいている人が多いのか。
 HIPHOPとか聴いている人はあんなに世間に向けて自分の趣味嗜好をアピールした服装や言動をしているように見えるのに。それに、今の中学生〜大学生を見ていると、自分の好きなものに素直だと感じる。電車の中でゲームをして、ボーカロイドを聴いて、家ではアニメを観て、という人が増えたし、それをおおっぴらにしている。仲間が多いからだ。
 
 プログレもメタルも、ファンがもっとオープンになればいいと思う。リスナーの裾野が広がればもっと勢いのあるバンドが出てくると思うし、来日するバンドも増える。

 ではどうすべきか、僕は浮沈のカギを握るのはキャラクタービジネスであると思っている。いくつかのバンドには、何故かイメージキャラクターがいる。それをゆるキャラのように売り出せば、子どもや若い女性にも受けるのではないか。そう、メタルとプログレには子どもと若い女性のファンがいないんだよ!メタルのライブに行って若い女の子がいるか?少々はいるかもしれないけれど、プログレはどうだ。いたら天使かと思うだろう!(なんで今日はこんな口調なんだ)


 ということで、先ほどのタルカスのジャケットを見てみよう。ゆるキャラに見えて来ないだろうか。「ダサい」んじゃない。「ゆるい」って考えようよ。

 ではIron Maidenのエディはどうだ?
 
Iron Maidenのジャケットに毎回登場するキャラクター「Eddie」

Gamma Rayのファングフェイスくんと上のエディの関係は、「ふなっしー」と「きゃべっしー」みたいなもんか。似すぎてるけど話題作りにはいいと思う。(肝心の曲も似てるとかそういうのは置いといて)
 
これが「ファングフェイス」もっと似てるジャケットもある。
どちらもグロカワとかそういう路線で若い女性や子どもにウケないだろうか。




さあ、どんどん行ってみよう。
彼なんかは、ほら妖怪方面とかでやっていけないだろうか。よく見ると可愛げもあるし。


ちがう!そんなシェーみたいな昭和ポーズではなく可愛らしさを前面に出すんだ!



メタルにも可愛いのはいる。
Riotのジョニーくん。これなんか、あれだろう。ゴマちゃんとかそういう勢いで可愛がられるだろう。


可愛がられ……あれ?
すみません、やっぱ無理でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿