60年代、子どもたちに歌の楽しみを伝えたようと始まった番組らしい。僕にも子どもが生まれたので大手を振って観られるようになった。
たしかに今の放送を見ていると、うーん…という曲もある。ただ、そもそも昔を思い出してみたらそんなに全部が名曲という感じでもなかったような気がする。ジャンルも歌い手もバラバラだし、いろいろな音楽を子どもに紹介するという意味合いも強いだろう。放送されるどれか一曲でも子どもの心にひっかかるものがあればいいのだ。
すごいのはそんなバラエティ豊かな曲のどこかに必ず「みんなのうたっぽさ」があるということだ。ジャンル:みんなのうた、みたいな感じで。
普通のアーティストのCDを聴いていて、「なんかこれ、みんなのうたっぽいな」と思うことがあるが、そういうのは大体自分の好きな曲だ。
一曲の中のストーリー性とか、音楽と映像の一体化というのは、考えてみれば自分の音楽的嗜好の根幹を成している部分だと思う。
聴いていて映像が思い浮かぶ曲っていいじゃないですか。僕が筋肉少女帯とか人間椅子を好きになったのも、当時バンドブームという大きな流れはあったにしても、「詩人オウムの世界」とか「夜叉ケ池」にストーリーと絵を感じていたからだ。
詩人オウムの世界なんて、詩人の言葉が風に乗って蝶の群れとなり…って、絵になったら絶対美しいでしょ。(あと、夜叉ケ池はホントにすごい曲なのに、そのPVがホントいけてない。)
話をもとに戻して、今のブログはYouTubeを貼り付けることができるから、お気に入りソングを紹介しようかなーと思ったら、これがあんまりアップロードされていない。まあ、そうなるだろうね…。
NHKのEテレにはお願い編集長というホームページがあって、そこでリクエストすれば昔の曲をかけてくれる。しかし50年以上もやっている番組で、好きな曲に当たるまでは気の遠くなるほど時間がかかりそうである。(それでも録画はし続けているけど)
一応いまYouTubeにあるものだけでも…ということで少しだけ。
ただし、みんなのうたには超A級有名どころから、入手難易度Z級みたいな幻の曲もある。今さら「メトロポリタン美術館」や「キャベツUFO」が素晴らしいとか「まっくら森」って怖いよなと言っても意味がないので、それよりはちょっと有名じゃないかもしれない曲の中から選んでみたい。
最近の曲から、「誰かがサズを弾いていた」。
見られない人はこちら。
歌はヤドランカ(ALSを発症してボスニアに帰国したらしい…)で、映像(人形)はなんと宇野亜喜良。すげー。開始30秒くらいで観た子どものトラウマ決定!悪夢みたい。そして美しい。
何年か後で大人になって「あれはなんだったんだろう」ってこの曲を思い出せる今の子どもがうらやましい。見ているとつくづく、滅びや死と安らぎは一体のものであると感じられます。
では自分が子どもの頃の思い出の一曲を。
「ポケットの中で」
見られない方はこちら。
そしてこの絵がホントに素晴らしい。やなせたかしってアンパンマンというより、僕には「やさしいライオン」とか「チリンのすず」といった「なんでここまで子どもを悲しませたいの?」という絵本のイメージが強い。この歌ではそっち側のやなせたかしが、歌のコンセプトに合った(ちょっとマグリット風?)絵を描いている。
いま改めて見ていると、誰も好きになっていないのに失恋していた子ども時代の僕の気持ちに優しく寄り添ってくれた曲だなーと懐かしく思われます。
ああ、なんだか深刻な曲ばかりになってしまった。不条理系も好きなんだけど、地球ネコとかテトペッテンソンとかはYouTubeにはありませんでした。昔はトレロカモミロとかハメハメハ大王が好きな、朗らかな子どもだったこともあったのに、怖いのと暗いのが心に残るんだよなー。
ところで、みんなのうたに影響を受けた人が今は曲を提供していて、畑亜貴の「図書館ロケット」とか、やくしまるえつこの「ヤミヤミ」も楽しく歌っていていいなと思う。あ、平井堅の「おじいぃさんのー、とけひぃい〜」、アレはやだ。
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