2014年12月22日月曜日

PVを撮ってきたよ!

 KISSのジーン・シモンズが、ジーパンとかTシャツとかでライブをする奴は客をなめている、プロじゃないと言っていた。還暦近くになって怪獣ブーツ履いて、血ノリを流し火を吹いて空を飛ぶ人に言われれば…そ、そうだよねと言いたくなる。観に来てくれる人がいる以上、自分たちがどう見えるかについて配慮しないで、俺たちは音で勝負するとか言っちゃうのはダメな気がする。
 以前に活動していた時はライブをやるとなるとCD制作直後だったり、それでも演奏面で満足してもらいたくて短期間で曲をたくさん足したりして、見てくれに気を使う余裕がなかった。せいぜい目玉おやじのドット絵がついたTシャツとかを着る程度。しかし、余裕がなかったというよりも、見てくれを考えなかったらそれはバンドとして不完全だと今は思っている。

 僕らはライブができるのが存在価値でもあったので、いまメンバーが足りなくてとか、子育てをしていて、という今の状況では、完全な形で活動できていない感覚が大きい。人前で演奏すると、そのために一所懸命練習したり、見え方を曲がりなりにも意識したりとか、プラスがたくさんあるのだ。では、ライブをしないで人前に出るには……ということでPVを撮ってみた。

 CDのマスターアップ後、1週間で絵コンテを作り、ビデオカメラや編集ソフトの調達と撮影をした。しかし、それでも復活後は絶対見た目に気を使うんだ!と決めていたので、衣装作りは前日に徹夜でやった。

 


 ええと…ジーンシモンズ先生すみませんでした。ダイソーで工作用紙を買い、半紙を貼って作りました。ニスを塗ったら輸送した車がすごい匂いに。
 ロケ地は家から30分くらいのところにある広い公園で、こういったものの撮影が許可されている。ただ、撮影を進めていたら公園の管理者がやってきた。
 管理者「あのう、これは何の撮影ですか?」
 僕「自主制作の映画を撮っています」(経験上こう言うとだいたい許可してもらえる)
 管理者「これは何のシーンですか?」
 僕「……戦いです」
 管理者「戦いですか」
 (なんだこのやりとり)
 その後、管理者は紙に僕の名前と、使用機材=ヘルメット(手作り)と書き記して帰って行った。

 ボブ「ねえ、この波動拳ってどうやるの?」
 僕「ほい、波動拳」(ビーチボール)
 ボブ「鉄球は?」
 僕「はい、鉄球」(ゴムボールにすずらんテープをつけたもの)
 
 まあそんな感じで、公園で散歩するおじいちゃんや、ランニングをする近隣の中学生、お弁当を食べている家族連れが遠巻きに見る中、撮影は進んでいった。しかし、このバンドのアキレス腱ともいえる事態が発生。
 僕もボブも徹底的に運動神経が悪い!動きが遅い、足が上がらない、ジャンプが低い!そして猫背!
 そういうわけで、ケルナグールの必殺技も地味なものばかり。スパルタンXもイーアルカンフーも、しゃがみパンチとしゃがみキックばかり。もう、このバンドの存在自体が旋風脚とか昇竜拳とかじゃなくて、しゃがみキック連打とか、そういうもののような気がしてきたよ!
 …いや、そこまで卑下するものじゃないか。鉄柱とか凶器攻撃のような存在でいたい。

 そんな中で気に入っているのはタッグチームプロレスリングの映像。コマ送りを多用したら人形のような変な動きになった。ボブはこういうバンドをやっていながらゲームにあんまり詳しくないので、動きを言って伝えるのに苦労した。「僕が倒れたらフォールしてくれ。いや、すぐ外れそうな感じで。全然抑えこまなくていい」とか。
 ただ、波動拳さえちゃんとできなかったのは笑った。何度か撮っても手がちゃんと開かなくて、下に来た手がお皿のように上を向いてしまう。うちのバンドのギタリスト、波動拳が超下手ーとか言われるのも変だろうと思って言わなかったけれど。

 撮ってきた映像を連れ合いに見せると、「よく捕まらなかったね…」とのこと。女子にこう言われると危ない橋を渡ってひと仕事終えてきた気になり、悪い感じはしない。捕まるの意味がルパンとかゴルゴじゃなくて、ファーザーとか江頭2:50とかの方に属すとしても。
 その後、一週間使って動画を編集した。音が決まっていてイメージも固まっていたので、映像の光と色調にだけ時間を使った。
 
 こうしてできた動画は、ニコニコ動画とyoutubeに投稿した。


ニコニコ動画は
http://www.nicovideo.jp/watch/sm25170402

 まあ、観てくれる人がどれだけいるかは分からないけれど、とにかく作るのがすごく楽しかったので、またやりたいと思っている。せっかくCDを作ったのだから少しでも多くの人に聴いてもらう努力もしなきゃいけないしね。
 よし、次に備えて体力作りと、足が上がるようにストレッチするか。(楽器の練習しろ)

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