2017年5月5日金曜日

ここに来てなぜか動画を配信してみる

 僕が生まれて初めて手に取ったマンガは、ハードカバーの「アタゴオルは猫の森」である。面白いからぜひ読めと父の強力プッシュで、物心もつかないうちから絵本に混ぜて読み聞かせてもらったのであった。それは間違いではなくて、幼い頃から良質のファンタジーに触れることができたて本当によかったと思う。
 同じシリーズの第2巻「ヒデヨシ印の万華鏡」では、主人公の破天荒な迷惑ネコ「ヒデヨシ」が森中の草花をスピーカーに、雲に自分の姿を映して放送局を開くというステキな話がある。好き勝手なことをわめいたり下手な歌をうたったりするので、森からは苦情が殺到する。見かねたヒデヨシの仲間たちは、どうせなら楽しいものを放送しよう…と劇を上演する。僕はその話が30年来大好きだ。

 今の時代、文章や音楽だけでなくて映像も手軽に配信できるのだから、軽い気持ちで楽器を弾いてその模様を放送してみたい。ただ、弾いたそばから忘れていく僕は、ゲー音部のさば夫さんみたいにすごいレパートリーがあってどんどん曲を弾けるほど上手じゃない。また、中途半端に凝り性な部分があって、楽に作ったものを人前に出せないのである。



 ただ、最近2ヶ月連続でゲー音部の活動に参加させてもらって気づいたことがある。定期的に人前で弾く経験ってすごく「緊張症」には効くんだな、ということだ。おかげで主催させてもらった回には特にあがりすぎてめためたになる曲もなく、たくさんの曲を思い出して弾くことができた。
 子育てと仕事以外の時間はだいたい音楽のことを考えているものだから、ゲー音部への参加についてもバンドの活動をサボっているみたいで気が引けていた。でも、ライブをやるように一所懸命練習するのでなくても、またCDを作るように一所懸命アレンジを練るのでもなく、ただ「楽に弾く」ということが、結局は演奏の幅を広げたり、自信につながったりするのだと今は思っている。

 じゃあ、毎月のようにゲー音部に参加させてもらってじゃんじゃん弾いたらいいじゃないか、ということになるんだけど、そういうわけにはいかないのだ。僕の家では何よりも娘ファーストと固く決まっているもんだから、1ヶ月に1回も土日に休みをもらっていたら確実に暴動が起こる。家で練習しているだけで怒られるんだから。
 
 そんなわけで、「楽に弾く」「人に観てもらう」の両立を考えて作ったのが以下の動画である。


わざわざ大きな画面で観たいという人は以下youtubeのサイトへお願いします。 
https://www.youtube.com/watch?v=GbUXsx7Nk18

 さて、この妙な動画を作った顛末を簡単に紹介したい。

 1 娘が寝静まったら速攻でパソコンを開き、ベースとドラムのトラックを作る。
 2 てまりを連れて自宅の3F(楽器が置いてある部屋)へ。
 3 二人で合わせてバーっと弾きながら映像も撮る。
 4 娘がムクッと起きて僕がいないことに気づき、怒鳴り声が聞こえたらすぐ2Fの寝室へ。寝かしつける。
 以下、3と4の繰り返し
 
 という感じである。
 これがもう、我が娘にはテレパシーでもあるんではないかと思うくらいに、寝ていても僕がいないのを察知する。こういう状況でやっていると、連続で1時間とかはどうやったってリテイクできない。相当うまくいっても3〜40分くらいである。
 そして、当たり前のことだけれど、同時に録音しているもんだから、二人のうちどちらかが間違えたらボツ…
 しかも、僕は録音が始まってだいたい2〜3時間くらいすると調子が乗ってくるけれど、てまりは同じ曲を何度もそんなにやってられるか!もういいよ!というタイプ。
 こんな状況だったらもう、ちゃんとした演奏を聞かせたいとか、そういうのがシステムとして無理。この中で精一杯やるだけ、となる。でも、今ぼくはこれをやるのが上達につながると信じている。だから何度かこの形でやっていこうと思っている。どうかお付き合い下さい…
 
 動画はとにかく弾いているところを通しで撮って、あまりにも急いでいるもんだからロクに三脚の位置も考えないでやったら、顔が映っていて、こりゃまずい…とポポロンとアフロディテを貼った。そして、座ってただ弾いているだけで殺風景なので、海外の動画作りフォーラムを少し回って、著作権フリーのインドっぽい映像を無秩序に入れて作った。昔のプログレのライブビデオの、よく分からないところで意味ありげな(おそらく何の意味もない)映像が差し込まれるのが好きなので、そういう感じにしよう、と。

 で、選曲について。
 なぜこんなMSXでしか出ていないマイナーゲームの、しかも5面をやるのか。それは、いい曲だから。昔から大好きな曲なんです。(せっかくやるのだから、あんまり人が演っていない曲を、と思ったのもある。)
 このゲーム、あんまり操作性や爽快感も無いし、当時友達の家にあってやらせてもらっていて、そんなに素晴らしいゲームとも思えなかった。でも、この曲をはじめものすごく良い曲が多い。世界各地の遺跡を巡って行って、最終ステージがこのインダス文明のモヘンジョ=ダロのステージ。
 しかも、ラスボスを倒して主人公たちがウシャスの秘宝を手に入れると、エンディングではいきなり核爆発が起こって主人公たちも巻き込まれ、古代人が核戦争を起こさないように封印していたことが分かる…というあまりにもひどいストーリー。そして、ゲーム本編で結末に対して「そんなアホな」とつっこんでいるのである。…なんか、たけしの挑戦状のコレを思い出すよね。




 さてさて、この動画の試みは一度で終わったら全然意味がないので、もう次の曲は決めていて、近々収録するつもりです。次はまた、誰にも期待されてない曲になると思います。ヒントは「歩いてると季節が変わるRPG」だよー。(分かるかそんなの)


 web拍手のお返事。(いつも遅くてごめんなさい。)
 「以前 死んでしまうとはなにごとかを購入しました!また欲しいのですが、購入できませんか??(>_<)
(追記)ちょっと前にCDほしいといったものですが、イースIiのオープニングのやつと妖怪道中記のがめちゃききたいです」
 
<まだ覚えていてくださって本当にありがたいです。あの頃、自分たちなりに新しいことをやろうと思っていて、それを手にとってくださっていた方がいたのは本当に嬉しいことです。ですが…本当に申し訳ないのですが、あの頃の曲というのはもうデータも残っていませんで、僕の手元にもCDRしかないのです。それをコピーしようにも、ほぼ楽器初心者がもがいている様子を思い出すと頭が溶けそうになるので、あくまでも「あの時だけのもの」と思っていただきたいのです…。ただ、当時の曲はライブとかで今後もやっていこうと思っているので、そこでいつか聴いていただけたらと…。ホントにすみません。

 「復活?されたのですね!!以前のパラメキア帝国のサイトはブックマークにしており、良くチェックしていました。1st,2ndも購入しました。(もう10年以上も前か・・・)出来れば、1980年初頭ゲームをプレイしている錯覚に陥るような効果音も含めた”メドレー”なんかをやってもらえるとうれしいです。(つーか、またアルバムを即買いします。)
応援しています、頑張ってください。」

<どうもありがとうございます。ベースをやってくれていた人が音信不通で、ドラマーもいなくなってしまったので、堂々と復活とは言えないのですが、細々とでもやって頑張っていこうと思っています。
 効果音はゲームの音楽と一緒になって作品の一部とも言える存在感がありますよね。ただ、ドラクエやマザーなどのCDに入っているゲームをやっている風の「効果音含む実況音声」みたいなのって、自分の意図しないところで効果音が鳴るわけですから、聴く人によっては「ここで聞こえないでほしいな」というのもある気がします。ですから、アレンジに入れるのは難しいですが、「ここぞ!」というところでは入れていこうと思います。怒2のスタート直後の「よし!いくぞ!」とかも、そうですね。
 でも、前にファミコン版北斗の拳の、敵が破裂するときの、なんていうんですか「くもーくもーくもーくもー」みたいな声。あれをボブにギターで再現してもらおうとしたら、全然似てないんですよ。ああいう場合はもう潔くファミコンから録音するしかないかもしれません。

 「以前金沢に住んでいたころに、「しんでしまうとはなにごとか」と「ふっかつのじゅもんがちがいます」の2種類のアルバムの購入をさせていただいた者ですが。。。おかえりなさいませ!コミケには行けませんが通販などできるなら、また購入させていただきたいです。」
 
<以前はコミケにCDを出品すると同時に、バンドのサイトで通販をしていて、メールで住所を送ってもらって、郵便為替と引き換えにCDを送ったり…とかやっていたものでした。また通販の方法とかももう少し考えようと思っています。(もしいま関西にお住まいであれば、ゲーム探偵団に置かせていただいているので、お店でも手に入ると思います。)
 コミケもファミコンの曲とかをやっている人はほとんどいなくなりましたし、社会人になってみるとお盆や年末に時間をあけるのもきつい人が多いのではないかと思いました。せっかく作ったCDを聴いていただけるのはとても嬉しいので、方法を考えないと…。
 

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